骨折手術のチタン

Monday, March 10, 2008 体内から取り出したチタンでマリッジリングを
骨折の手術で使われるプレートはチタン製がスタンダードになっています。なぜチタンなのかの答えは硬いからではなく、安全な金属だからです。すでに多くの臨床で実績をあげ証明されています。骨折に対すつ可及的な整復のための固定手術によりチタンプレートやスクリュー、髄内釘(ずいないてい)でインプラントのように骨を補強されたひとが、その後チタンを取り出したあと、その破片で記念の結婚指輪をオーダーメイドしたいと希望するケースがあります。再手術に耐えられる若くて健康な方は骨折手術のあと、再手術して金属を取り除くケース、高齢では取り除かずずっと入れて再手術しないケースなどがあります。取り出すのと残すのはリスクとメリットを天秤にかけて判断されます。
(ちなみに、電気風呂に入って、チタンで感電するといったことは起こりません。チタンは電気を通しにくい部類の金属です。体内に入ったチタンが、銭湯の電気風呂に通電することもないですし、インプラントで入ったチタンが、微弱電流を流すフェイシャルエステで問題が起きることはありません。)
取り出されたパーツをお持ち込みされたチタンを手にとってみますとドクターが苦心した痕跡がチタンに残されていて、ドクターとはいえ、こんなぎざぎざのペンチで乱暴に曲げて骨にあてがうなんて、手術中に可及的速やかに骨の曲がり具合に合わせようとした跡かと思いました。意外に金属加工の技術が無さ過ぎることがうかがえたり。こういった、体内の中まで、骨の中までもひとに見られてもいいくらい精度の高いパーツを埋め込むのは無理なのだろうかと10数年前は思いました。現在はプレートのデザインも美しいものが見られるようになってきています。

骨が折れた時のチタンプレートとボルトとリフォームについてはこちらをお読みください

医療の現場でも、ジュエリーデザインの高いレベルで、チタンが加工され、研磨されてしかるべき。けれど実情は医療、福祉の現場でのデザインは手つかず状態。もっとみせびらかしたいくらいかっこいい補聴器とか登場するべき。かっこいい義指がチタンで作られているように。 チタンのパーツ、とくに貴重な思い出のつまったチタンパーツで結婚指輪をつくるのももちろんあり。 ほんの一部でもそんなチタンが使われていることで、世界にひとつの結婚指輪になるからです。大変なお怪我をされ、治療を乗り越えてそれを支えた家族や恋人やたくさんの方からのお気持ちがそのチタンに詰まっているからです。

不動態被膜が生成された状態だった。

金属アレルギーの原因は金属の側にある

チタンがからだに合う、合わないという体質とチタンの相性というのは全く印象だけの想像で、金属と生体との関係は極めて化学的に無害で安全なのがチタンです。

なぜ安全と断言できるのか?

といえば、金属は化学的に答えがあるからです。身体は生き物ですので、まだわかっていないことはたくさんあります。感染症が伴ってチタンを埋め込んだところにトラブルが発生するのは、微生物とマクロファージによって、酸欠になるほど酸産されるからです。しかし金属の特性は、ある時は変質し、また同じ条件でもある時は腐食するといった気まぐれは絶対に起こりえません。
チタンを毎日扱って加工していて、ひしひしと感じるのは、チタン表面に生成される酸素分子と金属分子の化学吸着層です。これがとても頑固まとわりついて覆われていてびくともしない層です。この層を厚くしたり薄くする技術によって当店は発色を変えて商品化しているのですが、膜厚が厚いほど人体に対する安全度が上がります。そして手術に使われるチタンがまさに膜厚を厚くされたチタンなのです。お客様がお持ち込みされるチタンにこの厚い膜が生成されています。

ボルトの加工を依頼されるケースや、チタンプレートを体内から取りだされた方もありますが、プレートの方は私の力で切断も可能でした。一部ペンダントにするとかパーツを利用して贈り物にされるケースもありました。ボルトを再度溶解させそれを原料にするとなるとコスト面からは難しいと思いますが、ボルトやプレートに別のチタンパーツを追加してお守りのアクセサリーにして身に着けられるようにする方が現実的です。

チタンによってチタンアレルギーってあるの?

チタンで金属アレルギーになった?ということはそれがチタンではなかったという証拠です。チタンによってチタンイオンがヒトのたんぱく質に作用するには酸素をなくさないとできません。酸素のない環境で生きてはいけません。

鉱物アレルギー、金属アレルギーは金属の方に原因があり、体質によって出る出ないがあるのではありませんが、金属アレルギーありきで、行われる治験で使われるテスト試料は、薬品を使ってアレルギーを出させるように溶かして作って、塗布されます。ふつうにチタンを使ってもチタンを溶かせることはできないため、アレルギーは起こりません。しかし治験では、実際の環境にはできないはずのチタンイオンを劇薬を使って人為的に強制的に作りだしています。テストでチタンアレルギーがあるのはそうした意図によるものを出現させたい実験です。私たちの環境に出現する結果とは違います。

チタン

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