チタンの関節リングからチタン製の手指=指用エピテーゼまでを オーダーメイドで制作するようになった指輪職人の紹介と制作に至るいきさつ
義肢屋さんの義手ではない金属の指が欲しい
関節リングを見たユーザーさんから、指も作って欲しいとご相談があったのがきっかけでした。
関節を動かせるアクセサリーとしての指輪を数多くこれまで製作し、自身でも長く着けてきました。「金属製の指のエピテーゼがどこを探しても作っているところが無い」、「こういうものを探していたんです」というご相談を頂き、最初は戸惑いました。なにしろ指輪屋さんですから。指を作るとは。
それから指の曲げ伸ばしを(*1)鋼の錬金術師の漫画を研究したり、金属の指の手作りにも取り組みました。探してくださる方が居るなら、こんな指輪のような金属の補装具を作る指輪職人も居ますというページを紹介しようと思い、このページを作成しました。
指輪と金属アレルギーのご質問をいただくことが多く、アレルギーの個別の症状に応じて工夫した総チタン製の装身具を研究してきました。オーダー専門に製作しています。チタンの関節リングから義手(義指)の分野に近い指専門の装身具デザインから特殊なオーダーメード制作も、ご相談を承るようになりました。工房で、ていねいにひとつひとつ作りますので、1つの関節リングが完成するまでに2ヶ月半かかります。鋳造の工程が入る場合はワックス原型をほりおこして制作します。
シリコンや塩ビ手指義手に比べますと、チタン製は丈夫で抗菌効果も高く、耐久性は良いものの、指輪をはめるのと同じで、長期間はずさないで使っていると指輪ダコができてくるケースもあります。そういった場合は、金属の指に当たるチタン部分を少し削るなどのメンテナンスも行っています。
関節のジョイントなどを参考にした(*1)鋼の錬金術師 公式
隠すためのカムフラージュの肌色の義肢または義手ではなく、指輪の延長の装飾性と人間工学的ユーザビリティを兼ね備えた関節にまたがる義指装具リングであること。個性として主張できるデザインを備えること。
チタンという素材は銀のように温泉で変色することもありませんし、長時間水に浸かってもさびない、軽いという利点があります。チタンの軽さは1円玉の軽さを想像していただくと近いかも知れません。指先を製作し、義指(義肢)として実用する場合、他の金属製での義手(義指)では、動作による遠心力も働いてしまい重すぎる欠点があります。その点チタンなら強固で超軽量で、指にも負担がかからず、皮膚にもやさしいメタルですので着け心地もすべすべとさらっとした肌触りです。ジュエリーとしての指輪を作り続けた豊富な経験を活かし、指なじみの良いソフトにフィットするリング装置が可能です。チタンという素材は抗菌効果の高い金属ですので、義手(義指)としても清潔に装着できるのも良い点だと思います。
傷あとを守る。
手指の曲がった自然な表情をつけることができ、人の動作を補助する役割を担います。
指を延長することでキーボードをたたくこともできたり、関節があれば手すりをつかむ、じゃんけんのグーも出せるしチョキも。
その他腱鞘炎のための補助する装具、バネ指のための装具もデザインします。医療系の装具にはまだまだ開発の進まない現状があり、現状に満足出来ない方が居ます。ジュエリーとも言えるようなバネ指の装具も開発しています。指輪のようにおしゃれもでき、かつ、指を護るというものです。 装身具というのは、ただ単に量産された便利なものが使えればそれで良いのではありません。自分らしく、愛着が湧く装身具、納得いくものをいつも身につけたいものです。
ばね指にならないために
ばね指のセルフケア 手の腱を酷使せず、いたわるように使うよう職人も心がけています。へバーデン、ブシャール、ばね指でお越しになる前にピューターのリングからお試しになり折れてしまったというケースが多く、本格的にご自分の指に合うものをお求めになるということで当方のチタンで装具を作られています。 スズ(ピューター)は可変性があるように思われますが、1度曲げてまた伸ばせば金属ですので金属疲労で折れるまたは割れてしまう素材なので使いません。
ピアノを弾いていらした方からもご相談を賜っています。指輪をはめていた指にはへバーデン、ブシャールが出ないということが知られています。サイズと、その方の指のかたちに合ったものをお作りしています。
機能を考える前に、いかに指輪が邪魔なものか、指輪屋さんが言うのもおかしいのですが、毎日金属の関節リングをはめて生活するということを、指にタコが出来るまでやっていますと、機能はまず第一に義指によって物がつかめるとか握れるとか持ち上げられる、書けるといったそういう機能よりも「きちんとはまって指から落ちない、痛くない、皮膚を圧迫しない、蒸れない」が一番に来ます。次に繊維にひっかからない、不衛生にならない、汚れない。兎にも角にも邪魔にならないで愛着がわいてくる指輪というのが第一となります。何をするにも肌身離さず人工ボディということを忘れ、ずっと身体の一部になるような義肢というのがベースとなります。指は曲げ伸ばしや手を振って歩いたり、遠心力もかかります。動作の度に邪魔にならないというのが鉄則となります。これは細い結婚指輪でも同じです。その上で個性の主張です。そしてできることならものをつかむなどの機能が付け加えられます。力仕事の補助は危険な動作のときははずしてください。
機能という面からのデザインでまず必要なことは、邪魔にならない≒出来る限り部品を少なくするということ。そして指の皮膚が引っ張られたり戻ったりに合わせて金属が伸縮しない点をどう補いながら快適に着けるかという問題を解消します。触れたものをキズつけないためにも、ソフトに触れるデザイン、服に引っ掛かったり、指の皮膚の通気性を良く、軽くすることが求められます。重いものを運ぶ用途はないとお考えください。安全を考慮し激しいスポーツにもはずしてください。指の機能を最優先にして作られた海外の義指
海外の義指 Prosthetic Fingerこれらの世界の義肢を見てもあきらかですが、金属製の義肢であっても消耗品です。そして指の組織も皮膚も再生されながら歳とともに脂肪の付き具合、筋肉の働き方、指まわりの太さも刻々と変化します。頑丈に作られたチタンの義指もまた、肌色の義指よりはるかに寿命が長いとはいえ、磨耗していきます。
義指の分野では、シリコン製が製造されている例はあるものの、チタンの動く義肢の生産というのはなく、関節の自由度を考えて作るような曲がる装身具を作る職人がいないようで、それならば、私でお役に立てるのであればチタン指輪職人として、微力ながらつくしたいと思い2003年より始めました。 指輪としての、それぞれの指と指の関節にあわせて、適合する曲がる(動く)リング作りを長年研究しています。指輪が大好きで、自ら関節リングを着け、指と金属との接点を改良し、また自ら試します。オーダーメイドのジュエリーの分野での経験を少しでも役立てることができればうれしいです。 チタンの軽い性質と皮膚に親和性の高い利点をいかした関節の動かせる指をお作り出来れば幸いです。チタンを手作りで毎日触って削り叩き、磨いています。指と装身具を造り続けて培った豊富な技術とデザインの専門性、熟知したチタン加工により、指とうまく付き合え、デザイン的にも高いクオリティーある義手でも義指でもない関節リングの製作に最善を尽くします。チタンは硬い性質から、インダストリーの分野では普及してはいますが、人の手が手作りで介入できないような材質です。このような関節を曲げられるチタン製の装身具作りという、私だけにしか作れない仕事を与えられたことを噛み締めながらチタンと格闘しています。正直申し上げて、総入れ歯を作るより複雑です。指は動いて肉が盛り上がったりへこんだりいつも生きていて形状が変わるからです。型さえ取って被せれば出来るというものではなく、採寸さえすれば出来上がるものでもなく、脂肪の厚みや人それぞれの形状に合わせ手指を拘束せずとても複雑な動きに対応します。
金属製の装身具ですので、耐久性が非常に高いものです。安全性にも特に配慮して製作します。ただし義指を使って倒れたバイクを起こすといったことは対応せず、激しい動作には安全の為はずしていただくのを推奨しています。
指の動き方、採寸、デザイン画、ハンドメイドによるソケットと関節部分のリンク、指へのフィッティングとそれに応じた数回にわたるメンテナンスを経て完成へ。 問い合わせフォーム 東京都渋谷区神宮前6-18-11明治ビル1F 担当 松本恵子(チタン職人である製作者本人がお話を伺います。 制作者が常駐しています。結婚指輪ショールームにはファッションとしての関節リングは何種類かのサンプルを置いておりますが、義指はディスプレーしておりません。サンプル撮影、詳しい製造工程の取材などはお引き受けしていません。製作は特殊ですので、ご来店は前もってお知らせいただけた方が、チタンやシルバーの装身具サンプルなどの準備をさせていただけます。お電話03-5766-5095のうえ工房へお越しいただくほうがよろしいかと存じます。
指はサイズが変わるものです。お怪我の傷が治ってから皮膚の状態がすっかり落ち着いてから承ります。治療のお手伝いはしていません。整形外科ドクターは、これ以上指のサイズは変わらないと言われますが、外科医は指の号数に関してまではご存知ないのですが、実際には完治後も日々めまぐるしく変化致します。指のサイズは傷の具合によっても大幅に変化しますし、その日の運動量、気温で2号変わるのも珍しくありません。採寸した時期から指輪の完成まで数ヶ月間で治癒の状況の変化とともに、指輪のサイズも変わります。直系0.3ミリで1号変わります。ワンサイズ変われば靴も歩けないのと同様、指輪も着けられなくなります。サイズ直しのろう付けは将来金属アレルギーになる可能性が出てきますので、純チタンでお作りし、サイズのお直しが発生しないようサイズは慎重にうかがっております。
指の負荷をかけないよう考慮してチタンでお作りします。軽量なほど着け心地が良く可動性の助けになります。
逆にリハビリのために指に負荷をかけてトレーニングを兼ねるケースでは重たい金属でも制作可能で、シルバー、ゴールド、プラチナから選ぶこともできますが硬度はチタンと競争できません。強度の面からチタンは耐久性に優れており、どのような使い方をしても歪むこともありません。指の保護にはチタンが最適です。部分的にねばりの必要な構造の場合、18金ゴールドを使用するなどご相談の上、工夫しています。貴金属での制作には将来金属アレルギーが発症するリスクがあります。
ひとつひとつ手作りでていねいに仕立てているため、指の制作には、最短でも2ヶ月半かかりますので、納期は只今から3ヶ月半~後となる見込みです。
型紙を取り→ワックスで原型の彫り出し→塊から小さな仏像を彫り込んでいくようにこつこつと形を産み出します。 →それが真空の高温炉で溶解したチタンを流し込む型となり鋳造設備を経てチタンに成形 →チタンのパーツをていねいに組み上げ、磨き表面処理をして完成します。
複数の指の制作をご依頼される場合
隣合った2本の指に装具を着けたい場合
指にはめる指輪が隣合うと、指輪同志がかちかちと当たってじゃまになることを想定します。その場合、金属の外径が指を覆っているので、指を2本揃える動作が難しくなり指同志がガツガツ当たるのを回避するため違う形状で作る工夫が必要です。ご試着を何度も繰り返します。同じお怪我はふたつと無いため、製品とは違ってケースバイケースです。
指の状態はひとりひとりまったく違います。どのような構造の金属の指にすれば、着け心地よく関節を曲げたり、違和感なくできるかというもののかたちそのものの考案から始まります。決まった工程を経ると出来上がる流通商品とは違って、個々に無から造りあげるものとなります。ほかの指とバランスを取れるように、男性らしく女性らしくどういうデザインにすれば一番良いかを一緒に考えて最適な指を目指します。ユーザー様の多くは製作業に長けた熟練マエストロが多くいらっしゃいます。そうした方々にも魅せる義指としてご愛用いただいています。そしてオーダーいただくからには工法、製法はすべて松本の裁量にお任せいただきます。そして最高の品質でユーザー様にとってベストと信じお納めしています。
エピテーゼ デザインワーク 指と関節
by まつもとけいこ)
チタン関節リング装具(義指)¥333,000~440,000:プロトタイプモデルは無く、指の長さがどのくらい残っておられ、どのような怪我で、どの指でと同じ指は一つとしてありません。第二関節が動く場合は自力で第一関節を動かせる筋電ではない可動タイプも開発しています。第二関節が動かない、第三関節=こぶしの関節のみ動く場合は手首、手の甲に装具が必要になりますが動かすことが可能な義指になります。(¥450,000~)開発にかかったコストを考えれば採算は合いませんので仕事というより何かに貢献したいという気持ちに近いかたちで制作にあたります。アクセサリーを作るような仕事とは別のことととらえています。ジョイントが無いキャップ式の場合は一律\160,000。
まず、どんなにご遠方のお客様にもご来店と同じ高い精度でお作りしたいと思っています。ただ、ご来店いただけない場合、快適に使っていただける高機能でかっこいいものを作るには、採寸して測っただけではできず、密度の高いやりとりが必要で、お客様のご協力なしにはできない面がございます。注文しただけで、金属の指が出来上がるわけではなく、オンラインだけでは障壁がございますが、ラインを使ったり電話やメールで画像や動画をお送りいただいたり、サンプルを送って試着してしるしを付けてご返送いただきます。
指を曲げたときにもスムーズにじゃんけん出来るようにしたり、神経が出ていて触っても保護されるような仕様だったり、指の号数、関節と関節のあいだの長さの違いだけでなく、肉付きも個人差がたくさんあるのです。動きが伴うものですので、単純に型を取ればできる義歯とはまったく異なります。指周りのサイズというものは普通は変わらないと思い込んでいますが、指のサイズは刻々と変わっています。どの位置で装着するかもユーザー様によって変わるため、採寸があてにならないことの方が多いです。東京圏にお住まいなら2~3度お越しいただいて完成にこぎつけるのですが、ご遠方で1度しかお越しになれないお客様もいらっしゃいます。
もしもご遠方からお越しいただけるようでしたら、「貴重な1回」のご来店はぜひフィッティングの際にお越しいただけるととても良いものができます。指の採寸をして25年何千という指を測った経験からも、採寸はあてになりません。なぜなら指の太さはもちろん、長さも刻々と変わるからです。伸ばした状態で測っても曲げれば長さはまるで変わってしまうからです。脂肪や筋肉のつき方によって曲げた時の指は太さも変わります。
初回ご注文のご相談のときだけしかお越しいただけないと、せっかくいらしていただいても、商品見本も無いですし、すごくもったいないと感じます。ご覧いただけるような義指として陳列してある商品サンプルはございません。
お怪我はケースバイケースで親指だったり小指だったりおひとりおひとり違います。その指の状態に応じた作り方を都度発明しながら試行錯誤してその人だけの唯一の金属の指を作っております。毎回毎回初めての義指を発明している感覚なのです。
プロドットコムの店舗は結婚指輪のオーダーメイドのショールームとなっておりまして、置いてある関節リングたちは、義指の制作に至る前のヒントとなったファッションアーマーリングのみとなります。ご予約なしに工房へご来訪されましても見本は置いてありませんので、事前にオンラインで打ち合わせを繰り返し、採寸し、ある程度の試着準備ができてからのご来店をお願い致します。
*このページ掲載の写真作例はすべてお納めしてしまっていますのでお越しいただいても御覧いただけません。
リベット接合する場合は多くが固定式をお選びになられます。 リベット接合部分は残っている指の長さがあればある程度好きな角度で使用できる構造ですが動きをさまたげますので、パーツで つなぐ方式がベターです。
リベット、ピンをかしめてつなぐ場合、胴体がまったく空洞になる場合はご愛用により支点となるピンが磨耗することで抵抗がなくなって参りますことは避けられません。どんなにリベット、ピンの磨耗を防ごうとしても日常の指としての酷使にはねじもボルトダブルナットも摩擦を喪失する運命にあるのが金属の性質です。支点がするすると 動き、先端のパーツの重さで首をもたげるようになります。その場合は固定式になります。納品時に都合よく硬い状態でお納めできても、それを長期維持するのは磨耗する金属の性質上課題となっています。先端パーツもチタンで軽量化できていますが、さらに研究を続けています。あくまでも機能性よりも隠すカモフラージュの指ではなく、魅せる指です。
人の指のサイズは常に変動します。筋肉が戻り、きつくなる方と逆にだんだん細くなる方もいらっしゃいます。
耐久性のご質問にチタンは人の寿命より長いとお応えする前に、サイズが常に変化することはご留意ください。そして酷使すれば消耗する事もご留意ください。
写真のようにリベットでかしめない方が動かすのに適しています
4種類の金属仕様。チタン製の尖端と根元を繋ぐのはブラス製のU字パーツにすることで、長さの微調整を可能にしています。 根元とU字を繋ぐジョイントはシルバー950製にし、長さをミリ単位で微調整することで左右対称の機械的なものでなく、左手仕様なのか右手仕様なのかの違いにも対応可能になります。
指の根元の水かき部分も形状を工夫し、指の付け根にフィットする構造です。
通気性を考慮して、スリットを入れる、ひっかかりを作るための微妙なくぼみなどのご要望も歓迎です。
連携パーツ方式でジョイントを作り、金属製でありながらものを握ったり、まるでゴムのように伸び縮みするかのようにつかむ動作の指の稼働域を妨げず、確保できる造りになっています。
指の曲げ伸ばしにより、筋肉が移動するのに応じて連携パーツが動くようになっています。
常に全力投球の気持ちで最上のものをお納めします。これ以上の力がないというマックス発揮して魅せられる指をお納めしています
Titanium artificial finger.It can be moved.
It takes 3months.it costs ¥333,000.~ maintenans included..
オーダーメイドにつき在庫している見本はありません。
オーダーメイドでお作りしてお納めした作例です。
各義手のデザインの違いはユーザー様の身体的な違いです。形状は各ユーザー様の反対側の手の同じ指の長さ、太さ、形状を基にベストな選択でデザインしています。
オーダーメイドでお作りしてお納めした作例です。
チタン陽極酸化被膜
オーダーメイドでお作りしてお納めした作例です。
オーダーメイド制作
オーダーメイド作例
人さし指用artificial finger/チタン製
中指用の曲げられる義指 artificial finger/チタン製(ユーザー様からお写真を頂きました。この写真をご覧になったほかのお客様からかっこいいとのお声が寄せられております)
指輪式チタン金属の指
外部リンク指は曲がれば曲がるほどいいのか 納品後にお客様で義指に手を加えられ改変された場合は、その後のアフターサービスの修理のお引き受けはできなくなります。
除外すべき皮膚検査、六価クロム、水銀、カドミウム、鉛、取り入れるべき検査項目
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プラチナに欠けている強度をチタンで補完するとは