プラチナはとてもやわらかく変形し易いため、合金に改良して作られたのがハードプラチナです。チタンはもともと硬いのでハードチタンなんて開発する必要はありませんが、本来ソフトなプラチナは工夫と努力によってさまざまなプラチナ合金が開発されます。弱いプラチナにパラジウムを混ぜたりルテニウムを混ぜてプラチナ合金を作ります。これがハードプラチナと呼ばれるものです。プレミアムハードプラチナ、スーパーハードプラチナなど呼称はさまざまです。ハードプラチナであってもチタンの強さには及びません。そして混ぜ物をしているので、あとから金属アレルギーになり、指輪まわりがかゆくなってしまう方が、チタンの結婚指輪に作り替えるためにご相談が寄せられます。
プラチナ850はプラチナ1000よりはかなりハードではありますが、パラジウムが入ることで、金属アレルギーの原因となっています。ハードプラチナアレルギーが発症します。パラジウムは歯科では保険診療の対象となる金属として認められてはいながら、アレルギーを惹き起こす因果関係がはっきりしてきて、なるべくパラジウムを使わない方向へとシフトしています。将来いつ金属アレルギーでハードプラチナの結婚指輪がかゆくなるかもわからないというのでは、一生ものの結婚指輪とは言えません。
強さ、硬度、耐久性という結婚指輪の材質としてみた場合、白金(ハードプラチナPt850 )をはるかにしのぐ優れた金属がチタンであり、実用に耐え、傷つきにくい。白金が歪んでしまって真円が保てない点を工夫するなら、合金ではなくチタンとの2層で補完することができます。比較するとプラチナの半分以下の細さでチタンなら同等の強度を持つのでプラチナにできないような極細の華奢な結婚指輪も実現出来ることになります。
結婚20年を経た夫婦へのアンケートでは、昔流行った極太のデザインを主張したプラチナの結婚指輪を現在も着け続けている夫婦は全体の10%以下で、ほとんどの人が重たいので着けなくなったと回答しています。指であっても鉄アレーの筋肉トレーニングの重りのように、ずっしりとしたプラチナ製よりも、軽快で着けていることを忘れるチタンの方が指への装着感の負担が少ないため着け心地が楽であり、永く着けられることが明らかとなりました。