インターネット上にはあたかも体質によって金属すべてに反応してしまう人と、反応しない人がいるかのような誤報が飛び交っていますが、金属には金属アレルギーを誘発する金属と、アレルギー反応を起こさせない金属とがあります。後者の筆頭がチタンです。混同されやすい理由は、害が顕著でポピュラーなニッケルが、反応する人と反応しない人がいるから。そしてチタンは「起こしにくいといわれている」といった不確実な情報が孫引きされ使いまわしされチタンでも体質によってはアレルギーを引き起こすかもしれないといった印象を与えます。起こしにくいのではなく、正しくは誰もが反応を「起こさない」です。20年で1例もチタンアレルギーは出ていません。逆にプラチナなら安全とかゴールドの結婚指輪は安心といった、文言が飛び交いますが、実際には貴金属でアレルギー反応を起こしている方々が当店にはこの20年で来店されています。
プラチナでかゆくなったりアレルギーになったという場合は、そのジュエリーが純プラチナではなかったという証明のようなもので、プラチナの市販品にはロジウムメッキがかかっているのがほとんどですので、メッキの下地にニッケルメッキが使われたり他の金属下地がサンドイッチされているので、かゆくなる元となっています。ロジウムメッキは表面を硬く、明るく仕上げるために用いられているのが一般的です。ロジウムメッキしないとプラチナはチタンと同等のトーンですが、明るい白っぽいジュエリーが好まれると思われているのでロジウムがメッキされるのが通例となっているようです。(チタンの落ち着きのある暗いトーンが実際には好まれているので、プラチナも素のままで本当は良いはずですが、伝統的に宝飾業の方は白っぽく明るいトーンの方が売れると思っている)プラチナがロジウムメッキされるには、プラチナに直接ロジウムが乗るのではなく、間に”ニッケル”が挟まれます。これではかゆくてかゆくてたまらないでしょう。プラチナと思って購入され着けていてかゆいというお客様のネックレスはそうしたロジウムメッキされたプラチナネックレスだと推測します。ホワイトゴールドがかゆいのも同様の理由です。
白く見せかけるためのロジウムのためのサンドイッチされた「ニッケル」が赤みと痒みを発生させています。「ニッケルが毒」だということをもっと認識し、ニッケルを使用させないようにならないといけません。これからは消費者側もニッケルがどこにも使われていないことをうるさく確認するようになれば宝飾の業者さんたちも変わっていくでしょう。百貨店の売り場の人はメッキにどう使われているかまでは知らないかもしれません。工房併設のジュエラーの居るところで聞くといいでしょう。(メッキはきらきら光る数百円のパーツはニッケルメッキです。例えばバッグの金具など)
純金(24金)純白金(Pt1000 )も本来は自然界で自発的イオン化が起こらない為、アレルギーを起こしえない金属のはずです。しかし残念なことに、ゴールドもプラチナも強度が低いため、ほとんど鋳造の純金ピアス(24K)は市販されていません。純プラチナ(=Pt1000)のジュエリーも残念ながら強度が低いため簡単に手に入れることはできません。24Kのピアスを検索しても、本当の純金製ピアスというのはヒットがありません。詳細まで見てみるとヘッドのみが24kでポストが18Kだったり、24金メッキのものがヒットします。パーツとパーツが接合されるので、接続部分は純金では作れません。市販されない理由として、全体が完全に純金だと、耳に差す前に手で持つだけで、ぐにゃりと曲がりかねないので日常の使用には適切でないからです。
純金アレルギーかなと思ったら、それは純金ではなかったという証拠だという結論です。皮膚科にもわからない部分的に純金でないという結果純金アレルギーという勘違いが顕在化しています。
鋳造ではなく24金の地金から作られてもピアスのポスト(棒の部分)とヘッド(飾り部分)の接合部に金ロウという合金が使われていることを知らない皮膚科医が、ピアスホールを空けたばかりの生傷に対し、24kゴールド製のファーストピアスを処方してしまい、合金の接合部と耳に空けた穴が接触してしまい、感作して24金ピアスにアレルギー伝説が広まりました。皮膚科医は金属の学者ではありません。金属は専門外です。純金またはPt1000 ネックレスも同様の理由で、鎖の接合部分に金ロウ、プラチナロウという融点を下げた合金が加工上使われるため、本体の品質表示24K、Pt1000 を信じて使用した方に感作し、アレルギーを引き起こした、痒かった、ピアスホールが化膿した強い印象をおおぜいの方々に残しているのが実態です。化膿の原因は金属というより触りすぎたなど、強い刺激を与えたことと細菌の侵入によるものです。
ピュアゴールドが柔らかいのと違い、純チタンは、混ぜ物をしなくても極めて硬度が高いため、純チタンで作られているのでアレルギーを完全に回避できるのです。当店で創業2000年以来一例も出ていないことで実証していますし、これからもチタンの指輪でアレルギー反応が出る可能性はありません。
金属アレルギーでも結婚指輪を着け続けていらっしゃるお客様が実証してくださっています。
チタンの指輪と指が触れただけでは何も反応は起こりません。金属Ti「固体」が皮膚組織に反応するのではなく、金属物質「イオン」が反応するのが金属アレルギーのメカニズムですが、その必要条件である酸化剤がありません。
チタンの不動態被膜の安定pH範囲は1~12ですが、人はpH1以下の強酸では生きていけませんし、12以上の強アルカリでも生きていけません。チタン不動態被膜の臨界を超えて腐食する環境では人間が先に腐食されてしまいます。イオンには、移動できるイオンとそうでないイオンとがあります。目に見えませんがイオンが存在します。例えばシルバー925アクセサリーの合金から皮膚の皮脂膜へ溶出する銀イオン+銅イオン+亜鉛イオンは[移動できる金属イオン」(*1)です。指からの発汗によりNaCl(塩化ナトリウム)約0.65%、尿素0.08%、乳酸0.03%と酸素が含まれた汗と出会い、手の皮膚細胞に浸透します。一方、純チタンの場合は*イオン化しません。つまり皮脂膜に出会う前に、不動態の膜の外にチタンの電子が出てこられないということ。
*イオン化しないチタンについて言及のある医療法人 アレルギー科
私たちが見ているチタンの表面はチタンの裸の状態ではありません。被膜で覆われています。チタンはチタン金属原子と酸素原子が吸着しています。酸素O原子の化学吸着層で構成された強靭な不動態被膜が生成され続けているからで、皮膚組織内のたんぱく質アルブミン、グロブミンに接することができないのです。酸素がある環境なら不動態被膜が再生をしますのでこの膜に阻まれているかぎりどんなに薄い皮膚でも表皮の層に入り込んで金属アレルギーになるというのは化学的根拠のないことです。
Q: チタンの不動態は完全無欠なのですか?
A: チタンの不動態が絶対に剥離されないというものではありません。ただし自然界であれば瞬時に酸素分子が吸着し不動態は再生されバリアーができます。
Q:どんな肌質の人でも反応しないのでしょうか?
A:はい。どんなに極端なpH(*2)pHの肌であろうと、チタンの不動態を破って感作することは不可能です。発汗で分泌される成分というのは数時間前に食べたり飲んだりした成分によって変化します。母体が摂取した食事が如実に母乳の成分に反映するように。けれども、発汗後の皮膚が乾燥したとして、水分が蒸発し塩分も乳酸も濃縮され特別なpH値の汗となったとして、さらにそれが赤ちゃんの敏感肌であったと仮定しても、そこに移動するイオンが不動態被膜の内部から外部に放出されなければ感作が成立しえないのです。チタンアレルギーは肌質の個人差ではなく、Ti金属イオンの移動の可否の問題です。チタンの指輪の装着により指に対して金属アレルギー反応が起こることは不可能です。チタンアレルギーだったと言う間違いの可能性は、材質がチタンではなかったことが挙げられます。まれに症状が出た場合は、原因はチタン自体でなく手術を伴う整復、インプラントにおける微生物(*3)に起因したという報告があります。チタンの指輪でもしもかゆくなったとしたら、それはチタンアレルギーではありません。樹脂でも革製でもかゆくなる接触性皮膚炎を疑うべきでしょう。つまり摩擦または圧迫など接触による刺激でかゆくなっておられるということです。
チタンピアスがとても一般的になってきた昨今ですが、#チタンピアスというインスタグラムの写真は金色のポストが使用されているものが混在します。チタンの色は金ではありません。明らかにチタンではないめっき仕様のピアスを、実際にチタンに詳しくない販売者が多いのも、チタンアレルギーという誤解を生んでいます。加えて、気をつけなければならないのは、「チタン芯ピアス」では耳が痒くなる事がある点。チタン芯ピアスと呼ばれるものでは金属アレルギーは防げません。ポストだけがチタンでも肝心の耳に触れるヘッド部にニッケルが使用されてしまっては、金属アレルギーを避けられないのです。
例えばチタン製の時計だと思っても時計の蓋部分だけチタン製以外の金属だったとか、メガネのジョイントがロウ付けされチタン以外の金属だった場合があります。たとえパッチテストで陽性反応が出た人でも、チタンの指輪であればアレルギーは絶対に起こりません。何故か。それは、パッチテストが塩化チタンだから。チタンの指輪TiO2を指に着けていてTiCl4塩化チタンにならないからです。生体内で起ることに絶対はありません。化学的にわかっていないことはたくさんあります。でも金属であるチタンの特性は、同じ条件下である時は変質し、同じ条件なのにある時は腐食するといった気まぐれは起こり得ない、不動態はその人にだけ生成されないといった超常現象は無いのです。そして実際に心臓外科や歯科医、皮膚科医などドクターたちに伺ってみるのですが、金属に関しては専門家ではありません。
(*1)金属イオンについての考察はこちらに慨述しています、どうぞお読みください「金属イオンって何?」
(*2)pH値と金属アレルギーの関係についてはこちらをお読みください肌のpHって何?
(*3)歯科で起るアレルギーとジュエリーで起るアレルギーの違いについてチタンが金属アレルギー反応が出ない化学的根拠こちらに概述しました。
チタンとゴールドとの金合金Ti3Au*が発明されました。チタン3:ゴールド1の割合でのブレンド。チタンの4倍硬いという金属ができたそうです。チタンが750ゴールドが250なら不動態もできるかもしれません。金もチタンも金属アレルギー反応を起こさない条件を備えた性質同志となれば、生体にもさらに適合性が高まるでしょう。かなり前のアイアンマンでは「強度と減量をはかるために、ゴールドとチタンの合金を使え」と言っていたといいますから現実になったということになります。
*Ti3Auの資料「科学ニュース」
チタンは酸素との結びつきがあるので金属アレルギー反応が起きません。チタンを実際には知らない人によって書かれる記事「チタンは金属アレルギーが起きにくいとされています」と、聞きかじったコンテンツを目にすることがあり、残念です。本当はヒトの体質には関係なく、チタンは金属アレルギーになることはありません。
金属アレルギーの発現するもとは、多くの実用金属が金属単体で存在するよりも、酸化物、水酸化物で居る方が安定するから。金属界面上では酸素や水によって常に反応が起きます。だから夏に金属アレルギーが多く、汗で金属が溶ける?と誤解されるのです。実際に実用金属の表面上では電荷0の状態ではなくなるという電気現象。レアメタルチタン以外の金属は反応してしまう、そして酸化反応、還元反応が始まってしまうことをイオン溶出という言い方がされるけれど、実際に金属が溶けるというより電気現象が起こっていると考えることができます。そして私たちの心臓も*電気現象で常に鼓動が起きています。
金属の腐食はなぜ起こるのか 腐食のメカニズム/丹野和夫氏より
資料*心筋細胞と電気現象
金属アレルギーの症状に個別に対応し、ロウ付けを使わないゴールド、プラチナ、シルバーアクセサリーから出発し、加えて、チタニウム、ジルコニウム、コンフリクトフリータンタルやチタンカーボン、サージカルステンレスを使った結婚指輪をご用意しています。
1998年から金属アレルギーでお困りのお客様から「アクセサリーを着けたいけれど何か方法はありますか?」というお声を頂いたのがきっかけでした。現在でもプラチナのエンゲージリングでアレルギーがでてしまった、大切な記念のサファイヤのリングでメッキが剥がれてしまって、皮膚にトラブルが起きてしまったので対策はないか、指に触れる部分をチタンで作ってほしいなどなど。 特に夏は金属と汗の関係で「ジュエリーを身に着けたいのに着けられない。」とのご相談が増える時期です。この事については私なりに金属への熱い思いを持って勉強してまいりました。また、医療機関にチタンのキャストの工程を発注し、安全なアクセサリーを精密に製作します。その課程で、医療の専門家からチタンの扱いや特性をお教えいただいています。 チタン、ジルコニウム、タンタルというのは、金、銀、プラチナと違って、ジュエリーとしての流通がない入手し難い金属です。文字通り刃が立たない(ダイヤモンドドリルで削ります)、硬度はプラチナ以上。加工する職人にとっては本当に骨が折れる金属です。思うような加工はさせてもらえない、人の手を拒むというチタニウムの特殊性がむしろ、創作意欲に火を着け震い立たせてくれました。 titanのほか、チタン+ジルコニウム、チタン+タンタル、シルバー+プラチナ、シルバー+ゴールド,タングステン(金と同じ比重のレアメタル)など種類を増やしています。
チタンtitanium: アポロ11号が月から持って帰った石の成分には10%余りもチタンが含まれていたんですって。 余談ですが。プロドットコムにご来店されるアメリカのお客様とお話ししていた時「チタン」通じませんでした。英語では”タイテァーニアム”と聞こえます。…タイタニウム…~(タイタニックに…似て?)
資料*金属アレルギーの原因と対策をシルバーアクセサリーショップの観点から説明
レアメタルはほとんどが中国などコストの安い国で作られ輸入されていますが、チタンだけは、日本が世界に誇る最高技術によってコストの高い先進国日本で作られています。日本産だからこそ、チタンの純度の管理も正確で安全性が証明されています。
により金属としての化学反応性を失った状態になり、金属アレルギーに対しても、アトピー性皮膚炎に対してもさらに安全性が高まります。バーントアンバー系の深みを感じる暖かいグレー色や玉虫色に反射する色を出す方法などがあります。 いわゆるシルバーという素材にも純銀、950銀、925銀(スターリングシルバー)900銀(コインシルバー)と用途によって種類があるように、チタンも純チタン、純チタン1種、純チタン2種、6AL-4V(通称ロクヨン)から航空機に使われる高力チタン、耐食チタン、そして、形状記憶合金などさまざまな素材とのチタン合金が最先端技術により開発されています。 ■チタンは今や食品添加物としてガムやマシュマロ、ホワイトチョコレートにも含まれる安全性の高い金属です。口からの摂取で体内に吸収せず排出されることも研究で分かっています。錆びない特性から人工心臓や肺、人工歯根から宇宙開発まで、夢の金属として研究されている未来の素材です。プロドットの使用するチタンは高純度99.9%で皮膚科クリニックで使われているものです。純チタンは多孔質で硬度は高い分、弾性が低くマットな質感で淡いグレーです。研磨に大変時間がかかります。人体にだけでなく、地球環境にとってもリサイクル可能でやさしい特性があります。経年劣化もありません。
純金のピアスのはずなのに、金属アレルギーが出てしまうしくみ:
純金でピアスを作るのは極めて困難で、ピアスの構造全体が純金というピアスはほとんど市販されません。すぐに曲がってしまうからです。ピアスというのはヘッド部分とポスト部分が別々に造られます。それを接合する部分に純金以外の金属=融点の低い金属で接合されます。同じ融点だと本体も熔けてしまうからです。それを知らない皮膚科が、ポストだけ18金のピアスを患者に処方し、可能したりアレルギーが発症します。
ロウ付けに注意
ロウ付けに銀ロウを使ったチタン製眼鏡の場合、合金部分が顔に触れるとかゆくなることがありますので、ロウ付けは注意が必要です。金属アレルギーが発症してからは、それまで着けられていたチタン製以外のジュエリーを手放さなければいけなくなります。
金属アレルギーに対し実際に広く浸透し、データが幅広く実証されているのがチタンです。実用金属としてはジルコニウム、タンタルは浸透しておらず安全が実証されるかはこれからの研究が待たれるところです。
■ これまでの研究と、アレルギーのための工夫
金属アレルギーが重症の方は、刻印を結婚指輪の外側に打つというのも出来る工夫のひとつです。金属アレルギーの場合、指輪の内側に刻印を入れるなら、超音波洗浄に工房へお越し下さい。 指輪の刻印の文字は、硬いチタンでも、くっきり見えるようにかなり力を入れて打刻されています。文字は小さいので気がつかれないかも知れませんが、ルーペで覗くと、皮脂よごれや石鹸がたまってきているのがわかります。長年結婚指輪として着用していると、どうしても刻印によごれがたまりますので、プロドットコムへお持ちくださればいつでもクリーニングできます。マメなお手入れで金属アレルギーからデリケートな皮膚を守りましょう。
■金属アレルギーの中でも、銅と亜鉛に反応する人は、硬貨を触っても反応する人です。10円玉の銅、5円玉の亜鉛を握って汗をかいていると手のひらにアレルギー反応の感覚がわかる方もいらっしゃいます。
■金属アレルギーは 体内にはすでに私たちは銅をもっていますし亜鉛を必要としています。ですが銅や亜鉛を外からの異物として金属イオンが異質たんぱく質(抗原)を認知して、抗原を指名手配するように犯人写真のように抗体を作ってしまい、感作する状態で、再び同じ物質から激しい反応が起き有害な症状がもたらされる状態をいいます。接触性皮膚炎として現れるケースには、一次刺激性の皮膚障害とアレルギー性のものとが混同されていますが、前者は直接の刺激作用によるもの、後者は免疫的なしくみを通じてトラブルを起こすものです。お肌の症状は一般に類似していて、紅班、発赤(皮膚が充血し赤みを帯びる)が多いです。塩素イオンが含まれる汗と、アレルゲン金属の作用によって、皮膚が拒絶反応を起こし、かぶれたりトラブルを起こすこと。
■金属アレルギーのきっかけと考えられること。
歯の治療で口内に常に銀合金が留まっていること。
めっきのアクセサリーを以前に着けた。またはボディーピアスなどのピアッシング時に生傷ができます。
体温で温められた金属が徐々に溶けだしてくるという間違ったイメージを抱く方もおられますが、金属を溶かせるほどの強い体液を持つ人間は居ません。
指輪などの場合は、皮膚が厚いので、金属は表皮に阻まれ体内に入りにくいのですが 外科手術のステイプラーやピアスの場合は皮下組織と直に接してしまいます。 ひとたび症状が出てしまうと、免疫反応により残念ながら接触するたびに起こるとされています。腕時計が原因という時、本体の金属の材質のみならず、時計のバンドが革でも皮革なめしに使われるクロムによるアレルギーもありますし、ゴム製でも、ゴム特有のガスも発生します。
今一度、原因を考えてみると、チタンでも肌に反応するというひとは、意外と金属が原因なのではなく、乾燥肌に対し指輪と皮膚との間に残った洗剤が手のあぶら分を落とし荒らしているとも考えられるのです。洗剤は有害なものではありません、むしろ指を清潔にするものです。ただ、肌が乾燥すると皮膚組織の欠損部分から洗剤が侵入しやすい無防備になり易く、金属アレルギーでなくとも、荒れやすい状態になります。本来皮膚はからだを守るバリアです。乾燥によるかゆみでかきむしって
皮膚のバリアーが破られて侵入されてしまう入り口をしっかり保湿して閉じてから指輪をしてみてください。完璧なバリアーがあればかゆくなることはありません。まめに保湿することが大切です。
*洗剤と皮膚についてはこちらに慨術しています
■新しく大阪大学で発表された原因説 :金属イオンが生体内外で凝集し、金属ナノ粒子とよく似た形状となり、これら粒子に曝露することが引き金となり発症し得る
東北大学で発表された原因説:もともと体内にあった金属イオンと外からの金属イオンとの関係で免疫に見つかり易く攻撃対象になる
経皮毒という誤報:
あたかも皮膚を浸透してしみ込んだ化粧品や金属といった表現が飛び交っていますが、金属イオンが皮膚を突き抜けて浸透するといった考え方はネット上でのまちがった受け売りですので惑わされないようにしましょう。皮膚の上に出てくる汗と金属イオンが出会って起こるのが金属アレルギーです。浸透のイメージは湿布薬を連想する方がおられますが、湿布薬は温め効果、冷却効果を毛細血管に対して作用しているだけで、体内に薬が浸透しているのではありません。もしも薬が浸透するのであれば、インフルエンザの予防接種も針で注射せず貼るだけのテープが開発されているのではありませんか?
原因となりやすい金属(厚生労働省調べ)は、『ニッケル』。ニッケルのパッチテスト自体、 毒性のあるニッケルを使って反応が++に出るか見る行為ですので、おすすめできません。
■アレルゲン:パラジウム
パラジウムPd(パラス)も金属アレルギーをひき起こす原因として、銀にパラジウムが混ぜられた合金は歯科では以前のように使われなくなりました。ジュエリーにもパラジウムは、ピンクゴールドやプラチナに混ぜられることがありますが、プロドットではパラジウムはアレルゲンと認識しています。
*資料海外の歯科ではパラジウム除去が進んでいます/歯科クリニック
金属自体が原因と誤解されやすいのですが、金属が汗でイオン化してからだのタンパク質と反応してアレルギー症状を引き起こすので、イオン化させない金属=チタンが最も安全な金属といえます。化粧品業界、医薬品業界、家電業界、食品業界、医療の現場ですでに使われ実績とともに高い安全性のデータが積みあがったことで評判になっているのがチタンです。
自家骨移植のチタンケージ
埋め込み型心臓ペースメーカー
心臓人工弁(心臓弁の代替え)
動脈硬化を治療する血管内ステント
人口関節
骨折した際のボーン固定プレート
インレー
インプラント人口歯根
骨の形成のための代替え
原子力発電所の設備
日焼け止め
歯磨き粉
ガム
ネイルカラー
コップ
私たちが眼で見ているチタンは裸の金属ではありません、酸素の衣をきています。酸素がある環境で酸素とチタンの分子が吸着した化学吸着層で硬く覆われていて、金属イオンが反応しない状態を保っています=不動態。ここが他の金属と違うところです。この不動態は化学的に安定していて貴な状態です。貴金属と同等の金属の化学的安定の状態ということです。ですからチタンは身体に影響を及ぼすような変質をしません。上記のような用途からも信頼できる素材だとおわかりいただけると思います。
ジルコニウム、チタン、ゴールドを使った事例:チタンの結婚指輪
少しもどる
チタンをコーティングしてあるシルバーやゴールドをチタンと称して販売されているジュエリーを身につけてチタンで金属かぶれを起こしたと勘違いされるケースがあります。これは使用されたチタンコーティングのジュエリーが磨耗して中のチタン以外の母材(シルバーやゴールド)が汗によってイオン化することで引き起こされます。ティファニーから出ているチタンの指輪も実際には母材はシルバー925製にチタンメッキされた商品です。金属負けしたと思ったら素材が純チタン製ではないということです。
■市販のめっき商品の問題点
ゴールドプレートという表示で金メッキ仕上げの製品も多くみかけますが、これらの下地にはニッケルメッキがよく使用されています。 24Kメッキなら、1年間の使用で1ミクロン(1mmの千分の1)ずつ薄くなる計算。つまり5ミクロンの厚さの金メッキなら5年が耐用年数の目安ということになり、下地に使用したニッケルが化学反応する場合もありますので要注意です。皮膚炎のパッチテストでは、「ニッケル製」がアレルゲン最上位という統計がでています。 汗の塩分のイオン(塩素)はニッケルを溶かす作用が高いとされ、ニッケルに感作したことのある人は着けるたびに皮膚のトラブルに合うことになりますが、汗が金属を溶かすということとは違います。ニッケル自体が使われためっきは危険ですが、ニッケルが配合された合金にまで感作するかは別問題です。何の金属に対してのアレルギーかを知る必要もあります。
■金属アレルギー防止には
清潔に保つ(表面が良く研磨された金属であることが必要。) 樹脂、アクリル製のピアスやメッキのアクセサリーは身に着けない。 皮膚科クリニックの医師によれば、金属がイオン化しづらい冬場など、症状が出ない季節だけアクセサリーと楽しみ、汗でイオン化しやすい夏場は控えるといいということです。また、症状が全身にわたる全身金属アレルギーの場合は、パッチテストによって、かぶれる疑いのある金属というよりも食品、あるいはシャンプーに含まれる金属を除外する目的で特定し、それを食べない、飲まない使わないことで防ぐこともできます。ただし各金属の試料を塗布し入浴で流れないように保ち続け、わざとかぶれさせて反応を診るものですので苦痛を伴いますのでお勧めしません。パッチテストには正確性がありません。陽性反応は明らかになりますが、陰性が出てもそれで大丈夫というお墨付きではありません。パッチの試料に自分の汗でかぶれる刺激性皮膚炎の可能性も含まれてしまいます。 最初のピアスの穴は生傷の状態ですのでピアスの素材はチタン以外のものは使わない、チタンポストだけでなく全体が純チタンかどうか確認して下さい。
アレルギー科や皮膚科や歯科医師が薦めるのがチタンだからといって、金属アレルギーの方がチタンしか着けられないわけではありません。ゴールドやジルコニウムに対して反応しないことが日常分っていればジルコニウムで出来た指輪も、ゴールドがあしらわれたリングも着けても大丈夫です。
■プロドットコムの指輪は 生体に最も適合性の高い金属というチタンの特性を活かし、皮膚に接する面にはチタンや純銀、タンタルを使用したり、ジルコニウムをチタンと組み合わせるなどして造作にバリエーションを出しています。当店の使用するシルバーは一般のジュエリーより純度の高いシルバー950を使用しています。残りの 5%は硬度を増すため純銅が使用されています。わずかな銅が入るだけで硬くなります。
*アレルギーへの安全性を考慮のうえ、純チタン、ジルコニウムあるいは金、銀、プラチナをご希望の場合、接合部にいっさい合金を使用せず、純金、純銀、純プラチナのみで制作します。銀食器や歯の治療などに使用されていますとうり、銀も金同様、アレルギーの原因になりにくい金属です。銅は胡麻、大豆、牡蠣にも含まれています。余談ですが銅のさび=”緑青”は人体に害があるとされている通念は間違い(厚生労働省より発表)。緑青は体内に入ったとしても吸収されにくく排出されます。
具体的に、金属アレルギーになってしまった原因の指輪、とくにエンゲージリングを着け続けたい、チタンにつくり替えたいという緊急のご相談には、指に触れる部分に内側にリングをもぐりこませるように重ね着けする方法も用いて対策しています。
そのためには、まず問題の起きたリングを5号程度大きく引き延ばし、サイズアップさせます。
そしてそのリングと指のすきまにチタンのリングをはめていただき、皮膚にはチタンの指輪しか触らないようにする対策です。
■検査
シルバーペンダントのチェーンに使用するsilverついては、株)ハイメックさんの誘導結合プラズマ発光分光分析法による抜き上げ検査により、silver925を上回る高品質を実証済みです。
冬だけ圧迫された箇所だけかゆくなったりするのはアレルギーの中でも圧迫性じんましんです。圧迫性じんましん
■アレルギー要因となる革素材
gold,シルバーに対して金属アレルギーを起こす場合、もっとも気になるのは、金銀プラチナのロウ材です。そのため当社では、ロウ付けをいっさいしないで制作することでも対応しています。
金属だけでなく、革にはなめす工程でクロムが使用されるため、金属アレルギーの方に反応することも。 ナチュラルな革とはいえ、ペンダントのチェーンの代わりに革ひもを使ったり、革とコンビのリング、革ブレスレットのご使用には注意が必要。
チタンで作られた結婚指輪の事例
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ダイヤモンドとゴールド(金)希少価値があるのはどっち?
具体的にどの金属がジュエリーに使われているか合金の材料とパッチテスト判定の対応表
紛争ダイヤ禁輸と監視
結婚指輪とは違う、婚約指輪のサイズの選び方
タンタルでの反省点
チタン、ジルコニウム、タンレス?
コンフリクト ミネラル3TG(タンタル、すず、タングステン&ゴールド)をめぐる密輸と武器の資金
皮膚科で受ける検査の白金の判定とジュエリーを着けた時の反応とが違う
アフリカの地下資源
皮膚科よりアレルギー科がいい 水銀、カドミウム、鉛
パッチテストの金は塩化金から出来たイオン、ジュエリーの18Kやシャンパンゴールドは何から出来ているの?