イオンは根源となる実体。
中性の原子or原子団または分子が1個または数個の電子を失ったもの、もしくは逆に過剰の電子を得て電荷を帯びた粒子の呼び方です。正の方が陽イオン。負の方が陰イオン。正から負に向かっていく、移動したりしています。くっつけばイオン結合です。化学結合ともいえます。くっついたり離れたり奪ったり奪われたりしています。
かんたんに言うと反応の素となるのがイオン。
「金属」と聞くだけで、指輪の素材のチタンのような金属色で光っていて、硬いかたまりが金属というイメージ。なぜからだの内に金属?と思い浮かべますが生体金属と言われるものも金属イオン。私たちの体内の血液には鉄イオンがなくてはならない生体金属イオンです。体内の酸素分子の運搬、移動、貯蔵など、金属イオンが生体信号の伝達や酸化還元などの化学反応に寄与しています。生体金属イオンは、たんぱく質と結びつき、細胞中で金属たんぱく質、金属酵素となって作用します。
金属が、「金属イオン」になるには水が必要というけれど、そもそも金属とは何でしょう?
金属という物質は固体です。チタンは叩かれて伸びますし、曲げられれば伸びます。これは電子が動いて統合を保とうとするため簡単に結合が切れたりしない、つまり展性、延性があるということ。
身近にあるのは銀イオンの制汗材や、空気清浄機にもイオンを発生させるものがあり、水をいれるタンクがついています。イオン(negative ion)と水分というのが切っても切り離せない条件のようです。
(注1)アクセサリーがかゆくなる金属アレルギーも、金属イオンとたんぱく質の結合が犯人です。金属そのものが皮膚に触るというより、金属が溶液中に自由に動けるイオンとなって溶けて皮膚でなく皮脂膜に触れる、イオンが皮脂膜のたんぱく質と結びついて異質なたんぱく質化してしまうといった方が良いです。そのたんぱく質を排除しようと身体が赤信号を発信して知らせてくれているのが金属アレルギー症状となって自覚されます。無自覚に何者か身元不明なたんぱく質が体内に浸透するよりもアラートとなっているとすれば理にかなっているのかもしれません。まるで妊娠のつわり症状が、胎児から母体へのアラートなのと似て。
イオン化傾向という表現とイオン化しないと言う表現。チタンは本来はイオン化傾向の高い金属=卑な金属です。しかしその前に空気に触れて極めて屈強な不動態を作るので、イオンがブロック状態、人体に化学反応を及ぼせないからアレルギーが出ないのです。
チタンの指輪は純チタンでできています。プラチナより高い硬度を持つ優れた材質なのにイオンプレーティングをしてしまうとメンテナンス=磨き直しができなくなってしまいます。素材そのものの純粋なチタンはいつでも磨いたりお手入れによって永く美しく着けられるのに、イオンプレーティングが膜をはってうると、綺麗な最初はよくても使っていくうちに部分剥がれがかえって汚くなってしまうのです。
*資料金属アレルギーと微量元素
金属元素はアレルギーに深く関わっています。アレルギーを起すのは金属イオンです。金属イオン溶出と金属アレルギー
その発症はアレルギー性機序による場合と非アレルギー性機序による場合がある。感作性金属:プラチナ、ロジウム、ニッケル、クロム、コバルトのようなは主としてⅠ型アレルギー性機序により皮膚炎、鼻炎、ぜんそく、結膜炎、じんましんを起こします。
感作性金属の中でも、ニッケル、クロム、コバルトのように必須金属で、反応性に富む遷移金属に属するものと、プラチナ、ロジウムのように貴金属と呼ばれる白金族元素とは感作性という点では大きく異なっています。アルミニウム、バナジウムなどの金属は非アレルギー性機序により症状を発現させます。
単体では能力ないのに、たんぱく質と結合すると抗原性になるものをハプテンと呼ばれます。金属がハプテンとなっています。
イオンって陰イオン(=負イオン=negative ion)と陽イオンがあって、電池の(-)極と(+)極に結びつきがあります。サビと言えば鉄の酸化を連想しますが、水といえばイオン化、なのに酸化と還元というのはなんでしょうか?陶芸の燃え方には酸化窯と還元窯があります。還元は酸素をなくして一酸化炭素中毒にして焼き、釉薬に含まれる金属成分も変わりプロっぽい焼きあがりになります。
水で錆びやすい金属と水でも錆びない金属があります。イオン化傾向が大きい金属といえば水で錆びてぼろぼろにオレンジ色になる鉄、イオン化傾向の小さい金属は水で錆びない白いままのプラチナ。反応したがる金属と反応したがらない金属。
Q:チタニウムはさびないようにバリアーの膜(不動態)を張る性質があり、錆びて腐食されないようにまるで生存活動のように身を守る習性で酸化もイオン化もしない不動態でガードされずっときれいなまま保たれています。酸素さえ供給される環境であれば不動態がイオンを通さないのでイオンが外に流出しない。つまりたんぱく質との結合もないので金属アレルギーになり得ない。
プラチナもゴールドも不動態なしでもきれいなのは錆びない金属だから。チタンはイオン化傾向が大きいから自ら不動態被膜をつくっちゃうということなのだと思います。そして酸素さえあれば不動態被膜は再生を繰り返します。バリアーがもし傷付けられても酸素さえ供給されれば再生してまた膜を張ります。
”抗菌”と書かれた身近なものは銀イオンや銅イオンが利用されていて、細菌の増殖を抑制する働きを持つチタン、銅や銀などのイオン化した金属元素が安全面や効果の持続性の面から幅広く使用されています。
上野の西郷さんの銅像には緑青がびっしりついて腐食が進まないのも銅の不動態のしくみのおかげ。銅の場合、チタンのように屈強で緻密でない場合でも、酸素に触れれば不動態が再生されます。銅の不動態はチタンのように緻密でないために、銅と銀の木目金の指輪は、たった1~2時間で銅イオンが溶け出し指が真っ青になってしまいます。銅は赤い金属ですが、電子を失って銅イオンCu2+が水分と出会うと青くなります。
鉄がすぐに雨で鉄イオンが溶けだし錆びるからステンレスという混ぜ物をした鉄合金を建材として使ったり蛇口に使うのですね。車はぶつけて塗装がはげると錆びますからステンレスじゃなくて車体は純な鉄だったのですね。鉄さびは腐食が進みますが、南部鉄瓶は黒さびをつけて腐食から守られます。正倉院には黒錆びをつけた昔の鉄釘が現存しています。昔の人もさびない錆びを利用してきました。チタンの不動態って天然の錆止めを塗ったのと同じ効果なのですね。さびさせないために現代では鉄にはクロムをブレンドしたり、金属にはコーティングまたはブレンドといろいろな工夫がなされています。
鉄分を補給するためにレバーを摂るというのを聞いたときの鉄と金属の鉄。植物にも鉄があります。ほうれん草やひじきも鉄が多い食品です。これらは鉄イオンであり、血液のヘモグロビンも鉄イオン。鉄イオンに限らず金属イオンは土壌にもあります。小松菜も根から鉄分を吸い上げています。
そして金にもプラチナにもさびという目的は不要でも使用に耐える補強の目的でブレンドがされています。これがpt900とか18kと言われる合金です。ステンレスにはサージカルステンレスと呼ばれるブレンド鉄は金属アレルギーに有効ですが、ブレンド金=18kは逆に金属アレルギーには大敵です。ブレンドプラチナ=pt900もパラジウムが混ざっていると危ないです。パラ割というプラチナです。パラジウムや銅や銀に対してアレルギー反応する体質があるからです。銀にも925シルバーというのは1000分の75は銅がブレンドされています。
一方チタンジュエリーには初めから高強度でありブレンドチタンを使う必要がない、チタンはそれほど頑丈な素材です。従いましてチタンジュエリーといえばすべてピュアチタニウム製でブレンドなしで安全な金属がつかわれています。
チタン製マリッジリングチタンはさびることがなく、結婚指輪に最も適した金属ですが、金も自然界では錆びません=酸化しません。水素と化合して金属イオンが放出されません。例:ツタンカーメンは出土してから金ぴかに磨かれたのではなく、ずっと金は侵されないから光り続けているのです。厳密には現代の金の精製技術と違うので不純物が混ざっていた23kゴールドですがエジプトの土壌の微生物からも酸素からも水素からも侵されずに何千年も残っている。これが錆びない、溶けない証拠です。人の汗の成分に金を侵す成分はありません。したがって、金属アレルギーを起こす金属ではないのです。化学反応しないのです。ではなぜ完璧なはずの金のジュエリーで痒くなる人がいるのか?それは体質のせいではなく金が偽物だということになりますが、実際にネックレスは1コマひとコマロウ付けされています。品位を純金として売られていても、加工上の過程で純金以外の銀と銅も混ざって純金と言って売られているからアレルギーがでてしまう。詐欺でしょうか?いいえ、これは通常の貴金属店が金属アレルギーの知識も無いし使用目的が金属アレルギー対策として販売されていないネックレスです。ネックレスの留め具も純金では強度が足りませんので一部ですが18kが使われます。
なぜ完璧なはずの金のパッチテストで陽性反応が出る人がいるのか?皮膚科クリニックの金のパッチテストは金(Au)ではなく、金を塩酸で溶かした塩化金酸(HAuCl4)が希釈された金属イオンです。金属という固体はからだに侵入できないので、侵入させるためにイオン化させたものを誘発検査に使うのがパッチテストです。金属のゴールドを実験室でイオン化させることは出来ても、金という金属に触れた人の身体からは塩化金酸は発生しません。したがって金属の金(Au)であればアレルギー反応になりませんが、化粧品の成分として紛れ込んだ金イオンは液体に溶けた状態ですから感作できる、固体か液体ではまるで違う結果となります。
金属の金と化合物の塩化金酸は同じものではありません。からだに侵入できない金と侵入できる塩化金酸の違いです。ジュエリーの場合は金属の金であり自分の汗で金と出会うことが不可能ですが、化粧品などの添加物は実験室で作られた金イオンです。人体には作れないけれど人工的に浸透可能な状態にしてしまえばアレルギーの感作が起こりえる状態となります。
指先でステンレス製のリングサイズゲージに触れただけで、その瞬間に痒いとおっしゃる方には、すでに脳で防衛反応が機能しているのだと思います。プラセボの逆効果だと思います。脳の錯覚、バーチャルなアレルギー反応。実際には痒くなるには時差が必要です。
例えば糖尿病の患者さん用に、糖分を含まないで脳に甘いと錯覚させる食品の開発が進んでいます。マジックパウダーとそのあとにレモンを含むと糖分が入っていない食品を甘いデザートと感じておいしく食べられるという研究があります。舌ではなく脳でおいしいと感じるのだそうです。金属アレルギーの方も、アレルゲンのメタルを見ただけでも拒否反応が出るのだと思います。実際に痒いという症状が出るまでには、まず汗が指先に出ていて、その水分によって金属から金属イオンが発生し、それが体内に浸透し体内のたんぱく質と違う変異したたんぱく質となり、人体から異物と拒否されかゆみや赤みとなって皮膚に現れるといった時差があるはずです。触った瞬間にびりっと電気がくる、金属の表面に何かが付着しているかのイメージを抱いて錯覚しているのだと思います。
錯覚というか、勘違いが多いのは、金属アレルギーだから金属製全てアレルギーが出ると勘違いされる方もいらっしゃいます。しかし金は錆びない材料です。チタンもアレルギーが出ない、つまり金属アレルギーの金属ではない。
脳が信じたがる「プラセボ」の一種。
食品に対しても安易に自己流でやってはいけないのが、アレルゲン除去食。
亜鉛アレルギーだとパッチテストで判明したからといっても、食物摂取で亜鉛を除外してしまうと逆に体調不良を起こしてしまう、それほど亜鉛は必須栄養素です。鉄も、体内に鉄が不足すればヘモグロビンが作れなくて貧血になってしまいます。小松菜とひじきとレバーを山盛り摂取しても貧血検査で採血しても、貧血改善の数値は上がらない、鉄鍋も積極的に使いました。金属アレルギーは接触性皮膚炎だったことを思い出しましょう。摂取したミネラルが金属アレルギーを疑う場合、対処法はニッケル、クロム、コバルトを除去し、鍋はチタン製に替える、チョコレートを食べない、豆、ナッツ、香辛料を使わない。
一度金属アレルギーで大変な想いをした人は金属に触れただけでかゆみを連想するようになってしまいます。本能と脳が結びついてなかなか離れない状態で、金属だと思ったらからだに合わないと思いこんでしまうケースです。暗示にかかり易い人、思い込みがはげしい人=信じて治りたい人。しかし、金(Au)、もチタン(Ti)も金属の状態からはぜったいに人の皮膚に対し化合する反応は起きません。チタンの電子が移動しなければ化学反応は起きないからです。チタンから電子を奪いチタンイオンを流出させるだけの強い酸化力を皮膚は持ち合わせていません。そんなすごい酸化力があったら皮膚の方が溶けるでしょう。チタンアレルギーというのは擬似化学と言わざるをえません。皮膚に対する金属アレルギーがいろいろ言われますが、金属なのか、金属イオンなのか、ここが化粧品の成分とは金属が違う点です。皮膚科のパッチテストを金属のまま、メタルの固体の状態でテストしないのはこのためです。
金属の化合物のことを専門的に言ういい方。身近に錯体はあります。
参考資料:錯体って何?高校程度の化学に出てきた錯体とか錯イオンという言葉。たとえば 硫酸銅にアンモニア水を加えると鮮やかな青紫に変化するカラフルな錯体。 錯体というのはもともとべつべつに振る舞えるような分子やイオンとイオンが何個かくっついてできるもの。英語で錯体のことを complex という。 それを“複合”と訳したのでは何のことか分からないことから錯体と呼ばれます。
金属たんぱく質の代表はヘモグロビン=鉄イオンです。生体内にはたんぱく質の構造を持つ酵素があり、金属イオンと結合したり触媒になったり相乗的に関与していて、金属イオンが酸化還元作用の因子と考えられ研究されています。K, Na, Ca, Mgなどは多量に存在し、Cr, Mn, Fe, Co, Cu, Zn, Moなどは必須微量金属元素です。
体内にはニッケルイオンが存在しています。もともと体内にあるのに、外から入ってきたニッケルに金属アレルギー反応が出るのはどうしてでしょう。体内のニッケルイオンと外部からのニッケルイオンの結合が誘引したことによるのでしょうか。そう考えると、金属アレルギーを惹き起こす金属の上位ニッケル、コバルト、クロムはどれも、もともと体内に必須とされている元素だということに気づかされます。もともと体内にあるから免疫から見つかり易いかたちで発見されて攻撃を食らうということでしょうか。体内にある金属イオンと体外からの金属イオンの違いはいったいどこにあるのかとても興味深いのでこれからも勉強します。
資料ニッケルアレルギー発症に関わるニッケル結合タンパク質を発見東北大学
(注1)イオンを使った誇大広告の例:この空気清浄機やドライヤー等のイオン家電でうたわれるイオンは実際に検証が不十分としてメーカは誇大広告の行政指導されていますが、なかなか改善されていないというのが実態です)
掃除機でイオンの誇大広告指摘された参照元=宣伝広告のイオンの疑義を指摘された家電 ・あたかもイオンを放出して空気中の浮遊物質をきれいにすると錯覚させる点を消費者庁が指摘しています。アレルギーとかアレルゲンといったワードを使ってしまうと薬事法に触るので、造語を作ってたくみに錯覚を招いています。脳が信じたがるプラセボです。イオンが何者かよくわからないところを巧みに利用する広告も存在します。
ところがこれにはまだ続きがありまして、消費者庁から指摘された大手メーカーは反論しています。これはカタログ上のイオンの効能の書き方がわるかっただけであって、製品の性能は正しいという言い分も掲載されています。国内外の22の第三者機関で実証したと反論
皮膚にしみ込むイメージは湿布薬などの印象が強いのではないでしょうか?金属であるチタンはしみ込んで皮膚から浸透してからだに作用するものではありません。金属が皮膚を透過して有効なら、鉄欠乏症の治療に使えるはずですが、残念ながら、貧血は鉄の飲み薬を数か月続けて飲んでも、簡単には定期的な血液検査の数値が改善されません。鉄を吸収して血液中の鉄を増やそうと医師の指導があっても鉄欠乏はなかなか進展しませんでした。皮膚に鉄イオンを塗るだけで貧血が改善したらどんなに楽なことでしょう。世の中の女性から貧血がいなくなるでしょう。湿布薬というのは、毛細血管を温める、または冷やすことによる炎症を抑え落ち着かせるので効いた感じがするものであって、薬が体内にしみ込んでいって治療しているわけではないのです。*メドレックスが開発しているイオン液体による貼る痛み止めというのがあります。これもイオン化させて皮膚からというところが個体の金属とは違うものですのでチタンの指輪を着けただけでは経皮吸収は起こりません。
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