金という安定した貴金属と同等のチタン

チタンが錆びないのはいったいなぜ?

どうしてチタンが体内でもさびないか?答えは「天然の防食フィルムによって金属として化学反応を停められた状態だから」

チタンリングは”裸”ではない

チタンの表面は白金、金と同等に安定?

チタンの表面には純プラチナか純金と同等の錆びない金属に変化した状態になっています。

チタンリングがまとっている酸素という鎧

酸素と反応して貴な金属(プラチナと同等の貴金属の”貴”)TiO2になっている状態です。中身はTiチタンですが、外はTiO2二酸化チタンの防食フィルムです。そして酸素が体内にはないので鉄のように水分で錆びてしまうとイメージする方が多いのですが、体内には溶中酸素があります。血液中にも酸素が運ばれていきます。酸素の供給が止まると命に関わります。必ず指輪をする環境でも酸素がありますし、手術で埋め込まれたとしても溶存酸素があります。ただし、体内の微生物の攻撃から守るためにマクロファージに包みこまれる状態になってしまい微生物が酸産していくと酸欠に近い状態になりチタンを腐食するのではないかと考えられています。まだ憶測の範疇を超えておらず実験段階です。つまりチタンに起因しているのではなく、体内に感染する微生物による特殊な環境の場合です。体内中は外気と違って溶存酸素濃度が低いということも指輪を着ける環境とは条件が異なっています。

サビって何?/錆びと酸化膜は違うの?

鉄の錆びとチタンの酸化膜=防食フィルムを混同していませんか?

錆びというと鉄の劣化した錆びのこと、材質的な劣化をさします。土に戻ろうとして酸化していきます。人間のからだも酸化は老化です。

ただしこのチタン酸化はチタンの場合は錆びにはあてはまりません。劣化ではないからです。その真逆の"向上"、「貴な状態」(プラチナと同等)と変わります。酸化の表質は強化へのベクトルです。そして酸素さえあれば再生され続けるという性質だから万能なのです。人間は酸素のないところで生きていけません。酸素が無いとは、深海数千メートルか、宇宙空間でチタンの指輪をはめて生活するという環境は想定できないのですから、チタンの劣化、つまりチタンの脱不動態化はしない、できないという結論です。

さびには機能が上がり強化させるさびと劣化するさびとの2種類がある

材質を滅びさせるさびではなく、金属をより強くする酸化膜というのがあります。表面は緻密な酸化膜で護られます。鉄にもアルミにも銅にもあります。そしてチタンにもジルコニウムにもタンタルにもです。
金属のさびの典型で誰もが知る鉄の場合、俗に言う赤さびではなく黒さびは鉄の良い酸化膜。赤さびはスカスカ、黒錆びは緻密です。鉄を空気中で強く熱して酸化させたきめの細かいさび(四三酸化鉄)は、鉄の表面を膜のようにおおって、内部がそれ以上さびないように保護する性質のさび。金属がより強くなる化学変化です。 黒色をした鉄びんやフライパンが身近な例。
例えば 銅の錆びも1種類だけではありません。本来のさびていない銅はピンク色です。空気中の酸素と化合すると赤っぽいサビ(酸化第一銅)になりこれはおなじみ10円玉の色、空気中の水分と二酸化炭素などが反応した緑色のさび(緑青(ろくしょう)で害はありません)、空気中で強く熱して酸化させた黒色の酸化第二銅の膜などがあり、これらのさびもまた、表面を膜のようにおおって、内部を保護して金属を強化します。 アルミニウムも空気中ではすぐに酸化して、表面に白っぽいさび(酸化アルミニウム)の膜が生成されます。これも内部を保護するさびで、アルミの性能を上げる目的で人工的につけたのが、アルミサッシや食器などに使われるアルマイトです。そしてこれらの強化されるもので最もすぐれた緻密な酸化膜がチタンを強化する酸化膜です。これらの向上させる強化に向かうさびのような酸化膜を作る金属と酸化膜を作らない金属とがあります。酸化膜を作らない代表選手がゴールドとプラチナです。

チタンは錆びる?という質問に錆びると答える人がいる理由は

チタンは錆びるか?錆びますと言う人がいるのは錆びの意味を酸化ととらえる人と劣化ととらえる人がいるからです。実際にヒトの生息する空間において錆止め状態の被膜が瞬時に成膜される性質です。よってチタンは劣化が止められている金属。さび止め膜"酸化"によって材質として向上している金属。

さび易い金属とさびにくい金属とがある

金属のさびである酸化
ある物質と酸素とが化合することが酸化、物質を構成している原子から、いくつかの電子がとりさられることで起こります。
すべての物質は原子=小さいつぶが集まってできています。 原子はさらに、プラスの陽の電気をもつ原子核と、そのまわりをまわる、マイナスの陰の電気をもついくつかの電子から成っており、ふだんは原子核のもつプラスの電気量と、電子のもつマイナスの電気量は同じなので、たがいに打ち消しあって、原子は電気をおびていない中性の状態になっています。プラスマイナスゼロでバランスを保っているといった具合です。
ところが、中性の原子からいくつかの電子がとりさられると、その原子はマイナスの電荷が減ってプラスの電荷をおび、反対によそから電子がつけ加えられると、その原子はマイナスの電気量がふえてマイナスの電荷を帯びることになります。
このように、原子がプラスまたは負の電気をおびたものをイオンといい、このうち、陽の電気をおびたものが陽イオン、マイナスの電気をおびたものが陰イオンです。

酸化のしくみとは?

酸化とは原子から電子がとりさられることなので、原子が陽イオンになるということ。そして金属原子は陽イオンになりやすい性質を備えており、これは金属のイオン化傾向と呼ばれます。この傾向は金属の種類によってちがっておりイオン化傾向の大きいもの、つまり陽イオンになりやすいものから順にならべたものが高校の化学で習った金属のイオン化列(表参照)といわれるもの。
酸化しやすい金属と酸化されにくい金属とのちがいは、その金属のイオン化傾向が大きいか小さいかという差異、イオン化傾向の大きい金属ほど酸化しやすいということ。アルミニウムと鉄とを比較したとき、アルミニウムの方が早く酸化膜をつくりやすい。ただしアルミニウムの白っぽいさび(酸化膜)は、内部を保護する強化向上の酸化膜だから、見た目ではアルミニウムは腐食が進むわけではありません。イオン化傾向が大きいということは酸化しやすいということであっても、質を向上させる酸化膜を張り易いとも言えます。ですから劣化しやすいと考えてしまうと混同されます。劣化しやすいのではなく、強化され易いといった方がチタンには適切です。しかもチタンを強化するものがさびであり、チタンの優れたさびによりプラチナ、ゴールドと同等の耐食性を持つ金属へと変わり、その状態を保ちそれ以上サビが進むということはありません。
矛盾するかのようですが、サビから護る錆び、腐食から護ろうとする強化へのさびと表現してもいいでしょうか。例えばNYの自由の女神(1886~)も劣化して朽ちるものではなく、青錆び(緑青)によって本体の銅が護られている=進行が停められているという表現でいいのではないでしょうか。奈良の大仏も。
チタンが錆びるという人と錆びないと言う人がいるのは、熱力学と実際の環境因子をごちゃまぜにするから
参照:いろいろな錆びについて錆びの雑学

金属ならどんな金属もすべて錆びる?

---いいえ、答えは「さびません」

半永久に錆びないチタン

酸素がある限りチタンは錆びることがありません。(黒ずみと思ったらそれは汚れです。洗いましょう)イオン化しないので金属アレルギーもおきません。人によってはイオン化するとか、体質によっては錆びるということはありません。どなた様のチタンでもイオン化しない、金属アレルギー反応はしません。ですからブロガーさんの書く「チタンはアレルギーが出にくいと言われています」という文言はおかしいですね。出にくいのではなく、誰に対してもどんな体質であってもチタンはアレルギーが出ないのです。

金属はすべて錆びるものばかりだと言うのは誤りです。エジプトのツタンカーメンは錆びていません。博物館の係の人がガラスケース内のツタンカーメンを毎日磨き担当者がぴかぴかにしているのではありません。そんなことをしたら金は目減りします。金は土に埋まっている時からもともと天然の金でした。岩屑の中から見つかる、他のどの金属よりも抜きんでて異種鉱物と交わらず、金の姿で発見されます。地中にあっても人が手を加えなくともゴールド、劣化しない=還元されないから金メダルの金なのです。そしてチタンもその金に匹敵する錆びない酸化膜によって護られ金と同等の金属になっているのです。あえてさびという言葉で言いたいのであれば、防食さび。鉄の場合の黒さびも防食さびと言えます。
チタンの黒ずみを取る

冶金の曙
水と酸素により生じた鉄(III)イオンの一部が、タンニンから電子を受け取り鉄(II)イオンになった黒さび

結婚指輪ではなく、眼鏡に関して、チタンの錆びについて言及する間違ったサイトがあります。眼鏡のフレームで、チタンコーティングとチタンを混同し、チタンが剥げてくると錆びたり金属アレルギーになると誤った記事もありますが、本体がチタンであった場合、そこに塗装がしてあったとしても、塗装が落ちてもチタン自体が錆びることはありません。チタン以外の金属をチタン製めがねといってわざわざチタンコーティングして販売するほうが手間だと思えます。軽くてチタンの特徴を利点としてチタンの眼鏡を開発しているのですから、あえてステンレスにチタンめっきしてチタンが剥げたりしてしまっては、チタンを推すメリットもなくなるでしょう。
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