お客様からお電話でのお問い合わせを頂戴しました。

結婚指輪の素材である金属のうち、どの金属が高級なのか、どの金属が一番安全なのかを知りたいというご質問でした prodottocom

まず伺ってみると、タンレスとおっしゃるのは、タンタルなのか、ステンレスと、タングステンなのか、タンタルとステンレスを混同されたようなお話でした。
ジルコニムも、歯医者さんでも金属のジルコニウムと、焼結態であるジルコニウムセラミックを混同しているドクターがいらっしゃるくらいですので、お客様にしてみれば、金属の名前がわけがわからず混乱するのも当たり前だと思います。

金属の値段は金属の有用性で決められており、最も有用性があり高値で取引されているのは白金、最も低価格で取引されているのはジルコニウム

*出典資料(1)

高級という価値判断と一番貴重な手に入り難いという意味での貴重さ、お値段という点では最も宣伝によって周知された金属でランク付けされる、そのランクを知りたいというのがお問い合わせの主旨なのだと思いました。

『どれをプレゼントされたら一番うれしい?」『高級そうなプレゼントだと思われる金属はどれなのか?』という質問だったなら答えはプラチナが高級といったイメージが広告によって定着しているのかもしれません。しかし、金属アレルギー安全データの実績の豊富さからのランクではチタン >ジルコニウム>タンタル>プラチナのこの中ではチタンが最も安全度の実績が高い、逆にプラチナがリスク高になっています。認知度というのはプラチナやダイヤモンドと結びついたコマーシャルによって大企業によって印象操作によって刷り込まれるものです。誰もが知るハリーウィンストンやショーメのジュエリーは高級なのかもしれません。
金属くずの買い取り価格でランク付けすれば、貴金属のような取引相場の市場がないレアメタルが0に近くなります。金属くずとなった場合、太古の昔のひとでも精錬できた金銀と違い、レアメタルは金属くずを買い取ったあとに高度な先進技術により時間と膨大なコストをかけ精錬されます。
高級店といわれるところで高いお値段で販売されれば高級というものさしならそのままついているお値段を見ればよいのですが、そこには加工費が入り広告宣伝費や高級なお店のイメージが加わります。わざわざお客様がお電話までかけていらっしゃるのは金属としての原価ということだと思いますが、原価がもっとも安価なのはジルコニウムでも、それを流通させるにはコストがかかりますので工房の材料として届くまでに高値になるのがレアメタルだと思います。プラチナなど貴金属の方が流通と入手が容易だからです。金属の原価に関してはタンタルのページをご覧ください。

コストパフォーマンスの面からは、高いばかりですぐに歪み傷だらけになるプラチナとVS買い易いチタンとになれば、結婚指輪の耐久性は圧倒的にチタンが優れていますので、プラチナとチタンを掛けあわせ補強したプラチナチタンで結婚指輪を創作しています。

ジルコニウムPtチタンring

金属の地位=金属としての有用性 

つまり金属素材の段階での地位というのを知りたいということならば、もっとも広く医療の現場でも化粧品、医薬品にも試され無害が証明済みなのはチタンです。歯科でもチタン、皮膚科でもチタンが証明されています。タンタルは医学論文での文献上、ジルコニウムは金属の状態でなく、セラミックとして歯科での利用の段階です。実際に当店にチタンの骨折プレートが17年前から持ち込まれています。現在も治療にはチタンが主流となっており、タンタルのパーツを持ち込まれた例はありません。

なぜ伝統ある高級店でチタンやジルコニウム、タンタルのダイヤモンドハイジュエリーがなかったのか

それは昔の技術では金属の精製の工程がとても難しかったから手にできなかったからです。近年に開発された技術の向上によってしかチタンやジルコニウム、タンタルが入手できないという人類にとって新しい金属だからです。金銀プラチナは古代文明から精製できていたのに対し、レアメタルは鉱石から精製して手にするのが困難だったからレアなのです。地中の中に埋蔵量がたとえ潤沢にあっても、精製が困難すぎるからレア=希少なのです。

貴金属に代わってチタンが有用性、実用性を発揮している例

貴金属の地位に代わって、そうした安全度と強い耐久性が高く評価される日がすでに来ています。
チタンは錆びません。化学者の人は、「チタンは錆びますか?」の質問に対し、「さびない金属はないのですよ」と答えるでしょう。確かに薬品や電気分解で無理やり溶かせば溶けないものはありません。
しかし一般的な質問として、「チタンは自然に腐食が進行しますか?」の意でチタンは錆びますか?と聞いています。答えは半永久的に劣化しないが正解です。ですから浅草寺はチタンの屋根に替えて半永久的に屋根瓦の葺き替えから解放されたのです。永久にかかるランニングコストでなくイニシャルコストを選択したという事でしょう。もう浅草寺の屋根瓦は金でできた瓦と同等の耐久性を備えたも同然、しかもはるかに軽く建物の負担を何トンも軽減し、お寺の耐久性も向上させたと言えます。

なぜジルコニウムは金属として出回っていないのか、ジルコニアの方が多いのか

私たちの身の回りに、ジルコニウム製の金属でできた製品をあまり見かけることはありません。良く見かけるのはジルコニアかジルコニウムセラミックスとしての姿です。歯の治療に使われるのもジルコウム焼結体で、白いセラミックのような酸化ジルコニウムで、金属のジルコニウムとは別の物質です。
(セラミックスと呼ばれているのは、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム、ジルコニウム、チタン等の各種金属元素と酸素、窒素、炭素、ホウ素等との無機化合物、及びそれらの複合化合物の総称のこと)
ジュエリーのキュービックジルコニアで知られるダイヤの模造石も、、ジルコニウムが酸化されたもので、金属ではない透明な姿をしています。有用性が認められるのは、ジルコニアの状態なので、ジルコニアが広く有効利用されています。

ジルコニウムの弱点

ジルコニウムは中性子を吸収しない金属ですが、900度以上の高温になると水蒸気と反応し水素ガスを発生してしまう性質があります。原子力建屋の中で、高温に達してしまったジルコニウムから水素がたまり水蒸気爆発に至りました。

有望視されているジルコニウム、ハフニウム

原子炉高燃焼度燃料被覆管の用途として、有望視されているのがZr.ジルコニウム、ジルカロイ、ハフニウムです。腐食した場合どのような挙動をとるか、水素脆化がどのように起こるか、材料化学の分野で研究が進められています。

タンタルで出来ている結婚指輪
タンタルの結婚指輪
[*なぜ埋蔵量の豊富なチタンの方が希少なのか?]についてこちらをご覧くださいなぜチタニウムの方が高価なのか?
[ダイヤ入りの指輪だと傷つかないのはなぜ]