チタンは透明な酸化被膜が覆っている金属です。自然界において、酸素と反応しています。この緻密で強力で良質な被膜が皮膚に最も安全な状態を保持しています。
なぜジュエリーはロジウムでめっきされるのでしょう?それはプラチナという金属は暗いグレーなので、明るい白っぽい金属に見せるため。日本では白っぽいきれいな指輪が人気だからです。本来プラチナもチタンも同等のトーンであまり見分けはつきません。ロジウムをかけることで、ワントーン明るめの色になります。金属アレルギー専門店ではない普通の宝飾店は、金属アレルギーに関しての配慮を行いませんので、人気の高い、白い美しいプラチナを販売したいからです。
プラチナを母材として表面にロジウムめっきを施すには、異種金属同志の食いつきをよくするための下地の金属を要します。この下地となるニッケルが金属アレルギーを最も惹き起こす悪役です。このため、金属アレルギー反応を起し易い人は、プラチナ999の指輪であっても敏感に症状が出てしまいます。
プロドットに来店されるお客様には、重症の金属アレルギーの方が多くいらっしゃいます。他店様でプラチナ999を試着している最中から指が痒くなってしまう方が複数いらっしゃいます。
本来プラチナ1000(≒Pt999.99)と呼ばれる合金でない純プラチナであれば、金属として電気化学的に安定し、不活性ですので、皮膚の皮脂や汗と化合するはずがないにも関わらず、プラチナで痒くなる方がいらっしゃるのはどうしてなのでしょう?
プラチナが悪いのではありません。プラチナを白く見せたい宝飾店がプラチナにロジウムメッキをかけているからです。
では、ロジウムという金属が悪いのでしょうか?いいえ、ロジウムもプラチナと同族の安定した金属です。金属アレルギーに敏感な肌には、めっきの下処理に使われた別の金属、第3の金属に対して反応しているのではないかと推測します。「第3の金属」とは何でしょうか?プラチナとロジウムの間に挟まれ接着剤の役割をする金属=ニッケル。実際に指がかゆくなってしまうという声を聞いて、そんなはずは無いと思ってきましたが、めっきの下地ということを考えると犯人はニッケルがあやしいと思います。なぜ推測かといえば、こればかりは見えないので、作ったメーカーがどんな下地金属を使ったかに依るものだから。そして、接着剤の役割に長けた金属は金属アレルギーになり易い金属だということ。
対策:オーダーメイドできるショップで、「プラチナ999.99で」、「ロジウムをかけないで」とオーダーできれば、プラチナでも問題は出ないと思います。ただし問題点もあります。Pt999という純金属はとても柔らかく傷がつき易い為、ロジウムで護るという意味でも使われています。ロジウムがかかっていないプラチナ999の指輪は、ほんとうにデリケートですので、すぐ楕円になりますので大事に特別な時だけ着け、炊事家事をする際は着けられないと思って良いと思います。宝飾店でプラチナ999リングを購入し、そのまま指にはめたまま帰れば、帰宅する頃には傷になっていますので留意しましょう。
私たちが眼で見ているチタンの指輪の表層はチタンではなく、実際には二酸化チタンの不動態です。一方市販されているジュエリーのプラチナ製、シルバー製として販売されているジュエリーも表層はロジウムです。
プラチナもシルバーも外はロジウムで中は違うので、見分けることはできません。実際のプラチナは少し暗いグレーですが、明るいグレーが人気なのでロジウムメッキされ販売されているのが普通です。シルバーの場合はディスプレー中に変色してしまわないように、レディースのシルバーはロジウムコーティングされていることが多いです。すべてではなく、店頭で常に銀磨きで毎日磨いているショップはメッキしていないショップさんです。
チタンはメッキしていませんが、天然の二酸化チタン層の生成によって護られています。自然界において脱不動態がチタンの自発的に起こることは考えられないので酸素がある限り、人が生存できる環境では常に不動態が覆っているのがチタンの性質です。
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